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深刻な年金問題

企業年金を運用するAIJ投資顧問のこげつきが発覚し大騒動です。

運用の失敗による損失はよくある話しですが、年金を運用するファンドが9割近くも穴をあけることはまずありえません。許可制から登録制になったせいやとか、金融当局の監視が甘いとか、いろいろ問題点も指摘されていますが、お金を預ける側の自己責任も再確認する必要もあります。投資顧問業は銀行業などとは違い、投資家の保護という観点はあいまいですから。

この問題の根っこにあるのは積み立て不足です。体力のある大企業は不足を補填して、厚生年金基金を確定給付企業年金に衣替えしました。積み立て不足を解消した上で、保証利回りを下げました。しかし中小企業では、そういう荒技はなかなかできないのが現実です。

中小企業などでは一社で運用できないので、業種でまとまって投資先に運用してもらいます。その運用先の一つが粉飾の噂の絶えないAIJでした。運用成績がいいので運用額を増やした企業年金がある一方で、あまりの利回り高さを疑って勧誘を断った企業も沢山あるそうです。従業員から運用を預かる年金基金は、運用先の良し悪しを判断する眼力がもう少し必要でした。

一階建て部分の国の年金もマイナス運用の年もありますが、年金運用は利回りよりも損失を出さないようにするのが大原則です。この先10年で年金受給者が1.3倍に増える現状を直視すると、現在の賦課方式の年金ではもたないというのは共通の認識です。

ではどう改善するのか、これは意見の分かれるところです。普通に考えれば積み立て方式がベストでしょう。でもその前に手をつけなければならないこともたくさんあります。2000年に0.3%年金額を引き下げるべきところを自公政権は特例で据え置いて以降、本来の水準より2.5%受給額が多くなっています。つもり積もった「年金のもらいすぎ」は7兆円にも達しました。民主党政権もさすがに目をつぶれなくなり、3年かけて適正な水準にもどすことになりました。特例共々共済年金の優遇にも即刻手を入れんといけません。

貧困による餓死などの痛ましい事件も増えています。年金であれ、生活保護であれ、働いた収入であれ、貯金であれ、最低限の生活はできるお金はもらえる安心した社会を作っていかないといけないですね。